末永く健康な歯を保つために行いたい「予防歯科」とは

2018年12月2日

20代になるまでに約90%の方が虫歯になっています

多くの方が毎日歯を磨いていると思います。しかしながら、正しい歯磨きを行えているかといわれるとその通りではない方がほとんどであるのが現実です。例えば、自分の歯磨きを過信したり、お口にトラブルを感じていないから歯医者に行かない、などのある種の慢心をしてしまうと、正しく磨けていない場合や隠れたところに虫歯ができてしまっているというようなことになってしまいます。2011年に厚生労働省が行った調査では、20代の男女のおよそ9割が、40代になるとほとんどすべての人が虫歯にかかった経験があるというデータが出ています。
末永く健康な歯を大切にするためには、虫歯などのお口のトラブルを予防する予防歯科が重要になります。
では、この予防歯科とはどのようなものなのでしょうか。

予防歯科について理解を深めましょう

予防歯科は、虫歯や歯周病といったお口のトラブルを発症してから行う治療ではなく、そのような事態にならないために行う予防に重点を置いた考え方を指します。末永く健康なお口や歯を保つためには、歯医者などで定期的に健診を行うことが重要となり、定期検診などでプロフェッショナルケアを受け、歯科衛生士や歯科医氏の指導に則り自分自身で家などで行うセルフケアという2つの予防歯科の行動を実践することが重要となります。

歯科の専門家からの指導に則った毎日行うセルフケア

歯科の専門家からの指導に則った毎日行うセルフケアは、予防歯科で最も重要です

毎日の歯磨きを皆さん行っていることと思います。しかし、自分に合っていない我流の磨き方で歯磨きを行うと、予防歯科としての効果を見込むことはできません。予防歯科を行う上で重要になるのは、歯科衛生士や歯科医氏の指導に正しく基づいた毎日のセルフケアなのです。歯並びなどのお口の状態は1人として同じ人はいません。そのため、1人1人のお口に合わせた磨き残しや虫歯のできやすい個所などを歯科衛生士などのプロに確認してもらい、正しい歯磨きの方法などを指導してもらうようにしましょう。

セルフケアで虫歯を防ぐために重点を置きたい3つのポイントとは

歯医者などで指導を受けた時に、自分の毎日のお口のセルフケアについて見直すようにしましょう。
例えば、毎日の歯磨きを習慣にしているものの、ただ惰性でなんとなく磨いているという方もいるのではないでしょうか。
毎日の予防歯科で気を付けたいポイントは3つあります。

①歯垢を口の中に残さずに落としましょう
②フッ素を口の中に定着させましょう
③細菌の増殖を防ぎましょう

この3つの点に留意しながら、ヒビの歯磨きに取り組むことでより効果的な予防歯科を行うことができます。

歯垢を口の中に残さないために

日々の予防歯科によるセルフケアで重要になるのは、歯垢を残さずに丁寧な歯磨きを行うことです。歯の細かいくぼみまで丁寧に磨くことが大切になります。

歯垢は細菌のかたまりを指します

多くの方は歯垢と聞くと食べ物のかすなどを思い浮かべるのではないでしょうか。歯垢はプラークとも呼ばれますが、この正体は歯のくぼみなどに付着して増殖する細菌のかたまりなのです。歯垢1㎎に含まれる細菌の数はおよそ2億~3億個といわれています。これが歯周病や虫歯、口臭の原因となるのです。

歯垢が残りやすいお口の箇所とは

歯垢には高い粘着性があり、歯の表面などに付着する特性があります。中でも歯垢は、奥歯の噛み合わせる箇所、歯と歯の隙間、歯茎と歯の境界の部分などの歯ブラシでは磨くことが難しい部分に残りやすいとされています。そのため、これらの箇所は特に意識して磨くことが予防歯科として重要になるのです。

歯垢を徹底して取り除くために歯磨きで行いたいこととは

歯磨きの基本は歯ブラシでのブラッシングになります。しかし、歯並びが良くない部分や、歯と歯の隙間は特に歯ブラシの毛先が届きにくいため、歯垢を完全に除去することは困難です。そのため、デンタルフロスやタフトブラシなどを組み合わせて使うことで効果的に予防歯科を行うことができます。

①お口の隅々に届き、歯垢を除去することができる歯ブラシを選びましょう

予防歯科で起訴となる歯ブラシは、お口の中で動かしやすい大きさの歯ブラシを選ぶようにしましょう。歯ブラシは奥歯の奥の部分まで届く必要があるので、ヘッドの部分がコンパクトで薄いものを選ぶとよいでしょう。次に歯ブラシの毛の硬さですが健康な歯茎の方は普通の硬さを選ぶとよいでしょう。歯茎からの出血がある方は、柔らかめの毛の硬さの歯ブラシを使い、優しく丁寧にブラッシングを行うようにしましょう。
また、歯ブラシのハンドルの形状も予防歯科では重要となり、動かしやすいハンドルや手になじむ形状のものを選ぶようにするように心がけましょう。
そして、毛先が開いてしまった歯ブラシは、歯の表面に正しく毛先が当たらなくなるため、汚れを除去する力が弱くなってしまうという特徴があります。他にも、一見すると毛先が開いていないように見える歯ブラシでも、長期間使用することで、歯ブラシの毛の弾力が損なわれてしまい、ブラッシングの効果が落ちてしまうようになります。そのため日々使う歯ブラシは1か月をめどに交換するようにすることがおすすめとなります。

②歯ブラシで届かない場所はタフトブラシを使いましょう

普通の歯ブラ時の毛先が届かず磨きにくい場所として、奥歯の奥や矯正装置の周囲、歯並びが良くない部分などが挙げられます。そのような部分などの局地的な部分を磨くために使うのがタフトブラシです。このタフトブラシを使うことで、歯ブラシでは届かない気になる部分をピンポイントで磨くことができます。

③歯と歯の間の歯間の部分はデンタルフロスを使いましょう

デンタルフロスは、フィラメントと呼ばれる細い繊維を束ねて糸状にしたものを指します。デンタルフロスを歯間の狭い部分に通すことで、歯ブラシやタフトブラシでは落とすことができない歯垢を除去することができます。そのため、歯ブラシとデンタルフロスの両方を使用することで、歯垢を効果的に落とすことができます。予防歯科の観点からも、デンタルフロスの使用は非常に効果的であるということができます。

デンタルフロスには2つの種類があります

デンタルフロスにはロールタイプとホルダータイプの2つの種類があります。この両者の違いはどのようなものなのでしょうか。まず、ホルダータイプについてですが、これはホルダーにフロスがついた形状のもので、デンタルフロスの使用にあまり慣れていない人でも使いやすいという特徴があります。また、ホルダータイプのデンタルフロスには前歯の使用に適したF字型、前歯と奥歯に使いやすいY字型があります。
次にロールタイプは使う分の長さのフロスを切り取り、指に巻きつけて使います。ロールタイプはブラッシングしている箇所の歯の感覚がダイレクトに指に伝わる操作性が特徴です。また、ホルダータイプと比較しても経済的であるという特徴があります。
デンタルフロスは自分が使いやすいタイプのものを選ぶようにしましょう。デンタルフロスに不慣れな方はY字のものがオススメです。

フッ素を口の中に定着させるようにしましょう

虫歯の予防に効果的なものがフッ素というものです。ガムや歯磨き粉などに含まれるフッ素ですが、いったいどのようなものなのでしょうか

フッ素は食べ物などに含まれる元素の一つ
フッ素とは自然界に存在する元素の中の1つで、元素記号はFです。フッ素は土壌や海水のほかに、私たち人間が日常で口にするお茶や食べ物に含まれています。このフッ素は数々の研究により、虫歯の予防に非常に大きな役割を果たすということがわかっています。そのため、世界中の多くの国や地域で、フッ素が配合された歯磨き粉などが広く普及しています。
この歯磨き粉やガムに配合されているフッ素ですが、虫歯の予防に大きな役割を果たす3つの効果があります

フッ素が予防歯科で果たす役割とは

①歯の再石灰化を促進させる

フッ素は歯から溶け出してしまったリンやカルシウムの再石灰化を促す働きがあります。

②歯質を強化させる働きがあります

フッ素には歯質をより強化し、酸に対して溶けにくい歯へとします。

③細菌が酸を作り出すことを抑制する

歯垢の中に含まれる虫歯菌は酸を出すことで歯を溶かしますが、フッ素には酸を作り出すことを抑える効果があります。

歯磨き粉などに含まれるフッ素をお口の中に長く残すために気にかけるべきポイントとは

歯磨き粉やガムに配合されているフッ素は、歯磨きをしている最中はもちろんですが、歯磨き後も口の中にとどまり、少しずつ先ほど述べたような働きをします。そのため、少しでも長くフッ素を口の中にとどまらせるために、ブラッシングの仕方を工夫するようにしましょう。

①歯磨き粉は多すぎず少なすぎず使いましょう

フッ素の効果を最大化させるためには、年齢に応じた適量の歯磨き粉を使うことが重要になります。大体の目安としては、歯磨き1回あたり成人は1~2cmほどが適量です。

②すすぎすぎないようにしましょう

多くの水でお口の中をすすいでしまうとフッ素が流れてしまいます。そのため、水ですすぎすぎないように気を付けることも重要です。成人の場合だと、15ml前後の水で1回程度すすぐことが望ましいとされてます。

③歯磨き粉の選び方にも気を使いましょう

フッ素が配合されている歯磨き粉は広く普及していますが、その中でも、フッ素をお口の中にとどまらせるような工夫がされた歯磨き粉を選ぶように心がけましょう。

睡眠時間は歯質を強くするための時間に

唾液はお口の中の環境を保つために様々な役割を持っています。就寝中箱の唾液の分泌が減少してしまいます。唾液の分泌は1日の中でも波があり、就寝中は特に昼間と比較をすると少ないとされます。就寝中に唾液が減少することは、フッ素が唾液によって流れてしまう量が少なくなることを指します。そのため、就寝中はフッ素が口の中に残りやすくなり、効果をより発揮しやすいということができます。
ご自分が虫歯になりやすい体質であると感じられる方や、歯医者で初期の虫歯があると宣告された方は、日常での予防歯科としての歯磨きに加え、就寝前に行うフッ素ケアを行うとよいでしょう。フッ素ケアを行う際は、フッ素を長い時間口の中にとどまらせるように開発された、フッ素が配合されたジェル状の歯磨き粉を使うとよいでしょう。

細菌を増やさないようにしましょう

日ごろの優しく丁寧なブラッシングやフッ素ケアを行っている方であっても、睡眠時間のお口のケアはもう点なのではないでしょうか。寝ている時間は、細菌が増殖しやすいという研究結果が出ています。

虫歯の原因となるミュータンス菌は寝ている間に増えます

唾液が持つ働きの1つに、お口の中にいる細菌などを洗い流すという自浄作用があります。しかし、先ほど述べたとおり寝ている間は唾液の分泌量が減少してしまいます。そのため、虫歯の原因菌であるミュータンス菌などが増えやすくなってしまうのです。

就寝中に細菌を増やさないためにも寝る前にケアを行いましょう

睡眠中に増殖してしまう細菌に対抗するためには、日々のブラッシングのほかに、就寝前に行うケアも重要になります。
市販されているマウスウォッシュは様々な種類がありますが、中でも殺菌成分がある製品は非常に大きな効果を期待することができます。マウスウォッシュの中にはお子様でも使うことができるものもあるので、うがいなどができるようになったら使うように習慣づけるとよいかもしれません。

健康な歯を維持するためにも予防歯科とケアを行いましょう

医療技術の進歩により、人間の平均寿命は飛躍的に伸びましたが、長寿の方々が健康な歯を維持できているかといわれると必ずしもこの限りではありません。
健康な方の多くにとっては歳を取ってから歯を失うことはまだまだ先のことなので実感はないかもしれません。
しかし、歯を失ってしまうと、おいしい食事を楽しむ喜びや、人と楽しく会話をすることの幸せなどを同時に失ってしまうことになります。
また、お口や歯の健康は、お口の中にとどまらず全身の健康にも大きな影響を与えてしまうということが様々な研究によって明らかにされています。健康な状態で楽しく生活を送るためにも、予防歯科や日頃の歯のケアは欠かすことができ舞いのです。
20年や30年先に日々の生活を充実したものにするためにも、予防歯科を行うことは非常に大きな意味を持つのです。

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