良い充填と悪い充填を見分けるポイントとは

2019年3月10日

良い充填と悪い充填を見分けるポイントとは

虫歯治療法の代表格である充填。
その充填を行うための方法についての基礎知識や、良い充填・悪い充填の見分け方を身に付けておくことは、歯科医院による歯の治療を受診する上において損はございません。
アマルガム充填、レジン充填、インレー充填と充填方法はいくつかの形に分かれますが、適切な施術か否かを見分けるための共通したポイントがございます。
果たしてそれはどのようなものなのでしょうか。

1.充填物と歯の継ぎ目に隙間や段差がないか

まず、肉眼で充填物と歯の継ぎ目に隙間や段差が確認できてしまう、などということは論外といって良いでしょう。
それ以外の目に見えない継ぎ目や段差の見つけ方ですが、爪楊枝や竹串などで継ぎ目を探り、引っ掛かりがあればそれは不足のある充填と言って良いでしょう。
なぜなら、どの充填方法を用いた場合であっても、隙間が50ミクロンほどでも生じていれば虫歯は再発してしまう可能性が非常に高いからです。

2.研磨はきれいにされてあるか

充填部の研磨が不十分だと、そこに食べかすが付着しやすくなり、それを元に虫歯が再発しやすくなってしまいます。

3.咬合調整が適切に行われているか

咬合の確かめ方は意識して行わなければ非常に難しいものですが、逆に言えばご自身でも気づくことができるものです。
たとえば、咬みにくさや歯の高さ、噛むと滑ってしまう、物を咬み切ることができないといった違和感を感じるものは、不完全な充填だということがいえるでしょう。

4.虫歯が完全に除去されているか否か

ここが最も肝心なポイントですが、虫歯の状況は充填物の上からは見ることはできないため、担当した歯科医がしっかりと対応を行う必要がございます。
虫歯を完全に除去できていない状況では、充填物の内部で虫歯が再発してしまいます。

アマルガム充填について

「アマルガム」というのは、水銀と銀、スズ(錫)を混ぜ合わせて作られた合金です。
水銀にほかの金属を溶かして固まる性質があり、それを使用して作られています。
アマルガムは歯に直接充填することができるため、安価で手間も少なく簡単に施術ができるという利点があります。
アマルガムは小さな虫歯に対しては有効な手段で、初期段階の虫歯治療で穴埋めをする必要がある際などに有効です。
しかし、大きな虫歯の施術には適していないというデメリットもございます。
口腔内に直接アマルガムを充填する、という治療方法のため、大きな虫歯の複雑な窩洞(虫歯を除去した後の穴)を完全にふさぐことは難易度が高く、噛み合わせを正確に作ることも困難だ、というのがその理由です
また、アマルガムはアレルギー反応を起こす場合があるというデメリットがあります。
全身に大きな湿疹が出たり、頭痛が出るなどの中毒症状や、アトピーなどがアマルガムのアレルギーのおもな症状です。
アレルギー反応が出てしまうと、直ちにすべてのアマルガムを除去する必要があるため、注意しましょう。

良いアマルガム充填は、歯とアマルガムの間に全く隙間や段差がありません。

悪いアマルガム充填は歯とアマルガムの間に隙間や段差ができてしまいます。

悪いアマルガム充填は隙間や段差から虫歯が再発してしまいます。

コンポジットレジン充填について

レジンは入れ歯のピンク色の床部分などに用いられているプラスチックの一種です。
レジンには、柔らかく摩耗しやすいという性質があります。
そのため、ガラスの粉などを混ぜ、より強化したレジンを、コンポジットレジン、または複合レジンなどと呼称します。
コンポジットレジンは、ポリマー(粉)とモノマー(液)が科学的な結合を起こし、硬化することで出来上がります。
昨今のコンポジットレジンは、これまでのものと比較すると色調も豊かになり、主に審美性の求められることの多い前歯の充填に用いられることが多くあります。
また、コンポジットレジンを臼歯に充填しているケースも少なくありませんが、コンポジットレジンの耐久度が年々向上しているとはいえ、咀嚼をすれば摩耗してしまい、咬合も悪くなってしまうため、あまり適しているとは言い難い面がございます。
さて、そんなコンポジットレジンも、不完全な充填が行われたりすると隙間から虫歯が再発し、歯も黒くなり、審美性が損なわれてしまいます。
虫歯を完全に除去し、かつ清潔で乾燥が確保され、色調もよく選定され、そして辺縁の封鎖も完全に行われたコンポジットレジンは充填されているかどうか見分けがつかないほどの出来栄えとなります。

コンポジットレジンは精製のための作業が簡単で手軽なため、一度に多数の歯への充填や、不必要な充填などの、いわゆる保険点数稼ぎの温床になってしまうというお話を耳に致します。
また、不完全なレジンの充填は、虫歯が再発した場合の進行速度が速く、歯髄死が起こってしまった場合でも、歯根の先に膿の溜まる根尖病巣といった無用のトラブルが起きてしまう場合も多くございます。
このように、コンポジットレジンは質の低い施術を施されてしまった場合の被害が大きくなってしまうため、丁寧な施術が施されていることを十分に確認した上でご利用いただくのがおすすめです。

インレーについて

最後に紹介するのは、3つめの方法「インレー」です。
インレーの充填は、練って作られたものを口腔内で直接充填するコンポジットレジンやアマルガムとは異なった手法で行われます。
口腔内で、窩洞が形成された歯の型採りを行い、石膏模型を作成します。
その模型を使い、ワックスパターンを製作し、鋳造を行うことでインレーが作られます。
その後、セメントで口腔内に装着を行い施術が完了します。
インレーに使用される材質は銀合金や金パラジウム合金、金合金などの金属を用いたメタルインレーと、ポーセレン(セラミック)を焼成して作成したポーセレンインレーがあります。
不良な施術のインレーは、歯とインレーの間に隙間ができてしまい、そこから虫歯が再発してしまいます。
不完全な施術を施されたインレーを除去すると、内部で虫歯が進行している、というケースが多くございます。
精密に作成されたインレーは、歯とインレーの継ぎ目に段差がなく、合着に使用したセメントの層であるセメントラインも見えません。
このようなインレーは、既存の歯に美しくぴったりとフィットします。
インレーの施術不良の方の多くは、程度の差はあれど「二次カリエス」という虫歯の再発が認められます。
このように、不良な充填がされた歯から虫歯が悪化してしまいます。
虫歯の進行が歯髄にまで到達してしまうと、神経を除去する施術である「抜髄」という治療を行う必要性が生じます。
この神経の治療をことを一般的に「根管治療」と呼びます。

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