歯周病治療にかかる費用はいくら?

2017年4月25日

歯周病は、歯に付いた歯垢(プラーク)が原因となって発症する病気です。

歯周病は歯を失う原因の第1位、およそ4割が歯周病が原因で歯が抜けているほか、かかっている人は実に「日本人全体の8割以上」というデータもあります。

虫歯と並び、多くの方が日常的に耳にする歯周病ですが、いざ自分が歯周病にかかったときには「歯周病治療にかかる費用はどれくらいなんだろう?」と不安になってしまう方も少なくありません。

ここでは、歯周病の症状によって異なる「歯周病治療にかかる費用」についてご説明をさせていただきます。

歯周病治療にかかる費用と治療期間の目安

今や日本人の「国民病」とも言える歯周病ですが、歯周病治療にかかる費用は症状よって異なります。

1.初期の歯周病(歯肉炎)の場合

◎治療費用(保険診療による3割負担の時の金額)

1・治療1回あたりにかかる費用は「1,800円~2,000円程度」

1・トータルの治療費用は「5,000円~10,000円程度」

・自由診療の場合は「10,000円~50,000円」(保険外診療時の金額)

初期の歯周病は「歯肉炎」と呼び、歯周病にかかっている人の約7割が歯肉炎の症状を自覚します。
初期歯周病の歯肉炎は特に20歳~40歳代の人に多く見られ、現れる症状には

・『歯ぐきが赤く腫れてしまう』

・『ブラッシングのときに歯ぐきから血が出る』

などがあります。

歯周病の進行具合を判断するためには、歯と歯ぐきの間の溝である「歯周ポケット」がどれだけ開いているかで判別を行います。

初期歯周病の歯肉炎では、

・『歯周ポケットの間隔:4mm以内まで』

が初期歯周病に分類されます。
初期歯周病の歯肉炎の段階であれば、毎日のブラッシングを行うことにより、ほとんどのケースで自力で歯周病の症状を改善することが可能です。

○初期歯周病の治療内容

・歯に付いた歯垢や汚れを落とすプラークコントロール(歯ブラシによるブラッシング)
・歯に付いた歯石を取る歯石取り(スケーラーを使ったスケーリング)
・歯科医院で行う歯のクリーニング(特に歯周ポケット部分の歯の根面の清掃)

○治療にかかる期間

・1~2ヶ月程度(患者様によって異なります)

2.中期の歯周病(歯周炎)の場合

◎治療費用(保険診療による3割負担の時の金額

1・治療1回あたりにかかる費用は「1,800円~2,000円程度」

1・フラップ手術などの外科的処置にかかる費用は「1部位につき3000円程度」

1・トータルの治療費用は「10,000円~50,000円程度」

・自由診療の場合は「50,000円~500,000円」(保険外診療時の金額)

中期の歯周病は「歯周炎」と呼び、歯周炎にかかる人は30歳~70歳代までと幅広く分布しています。
中期歯周病の歯周炎にまで症状が進むと、


・『歯ぐきが全体的に赤紫色に変色し始める』

・『ブラッシングのときに歯ぐきから血が出たり膿が出始める』

・『食べ物をかむときに歯がグラグラするのを感じたり、歯そのものが不安定になる』

・『歯を支えるあごの骨(歯槽骨)が徐々に溶け始める』

といった症状が現れてきます。
中期歯周病の歯周炎では、


・『歯周ポケットの間隔:5~7mm以内まで』

が中期歯周病に分類されます。

歯を支えているあごの骨が溶けるなど、怖い症状が現れ始める歯周炎ですが、中期歯周病は歯周病治療を専門的に行っている歯科医院で治療を受けることによって、歯を残せる確率が高くなります。

○中期歯周病の治療内容

・歯に付いた歯垢や汚れを落とすプラークコントロール(歯ブラシによるブラッシング)
・歯に付いた歯石を取る歯石取り(スケーラーを使ったスケーリング)
・歯科医院で行う歯のクリーニング(特に歯周ポケット部分の歯の根面の清掃)
・フラップ手術などの外科的処置

○治療にかかる期間

・3ヶ月~1年程度(患者様によって異なります)

3.重度の歯周病(歯周炎/歯槽膿漏)の場合

◎治療費用(保険診療による3割負担の時の金額)

1・治療1回あたりにかかる費用は「1,800円~2,000円程度」

1・フラップ手術などの外科的処置にかかる費用は「1部位につき3000円程度」

1・エムドゲインや組織移植手術、歯肉を再生させる手術にかかる費用は「30,000円~500,000円」(保険外診療時の金額)

1・抜歯にかかる費用は「2,000円~3,000円程度」

1・トータルの治療費用は「30,000円~100,000円程度」

1・自由診療の場合は「200,000円~3,000,000円(※)」(保険外診療時の金額)

(※ 抜歯後の自費によるインプラントなどの義歯治療や矯正治療を行った場合の金額を含む)

症状が進んで重度になった歯周病は中期と同じく歯周炎に分類されます。
重度歯周病の呼び名については、以前は中期以降の特に症状の進んだ歯周病を「歯槽膿漏」と呼んでいたこともありました。

しかし、今では重度の歯周病も中期歯周病と同じ歯周炎に分類され、名称そのものに違いはありませんが、あえて分かりやすくするためにあえて歯槽膿漏という言葉で重度の歯周病を言い表すこともあります。

歯周病の症状が重度の歯周炎の段階になってしまうと、


・『歯ぐきが全体的に腫れあがってしまい、どす黒い赤紫色に変色する』

・『ブラッシングの際に歯ぐきから血が出たり膿が多く出るようになる』

・『口臭が非常に強くなってしまう』

・『歯を支えるあごの骨(歯槽骨)が溶け始め、歯ぐきがあごの骨の付け根に向かって大きく下がってしまい、歯の根の表面部分が常に露出した状態となる』

・『歯がグラグラになってしまい、自然に歯が抜け落ちる』

といった重篤な症状が出てくるため、普段の生活においても常に強い痛みを歯周組織である歯ぐきやあごの骨に感じる状態となります。

重度の歯周病を判別する際の基準としては、


・『歯周ポケットの間隔:8mm以上』

上記の間隔で歯周ポケットが開いているケースを重度歯周病に分類します。

重度歯周病は歯を支えるあごの骨である歯槽骨が半分以上破壊された状態となり、症状を改善するための治療は、歯周病治療を専門的に行っている歯科医院でフラップ手術などの歯周外科手術や、エムドゲインや組織再生手術など、歯ぐきやあごの骨を再生させる外科的な処置により対処します。

重度歯周病は昔はほとんどのケースで治すことが出来ず、最終的に抜歯をするケースが多かったのですが、現在では歯周病の精密治療が進歩したことにより、治療を受けて歯を残せる確率が以前よりも高くなってきています。

○重度歯周病の治療内容

・歯に付いた歯垢や汚れを落とすプラークコントロール(歯ブラシによるブラッシング)
・歯に付いた歯石を取る歯石取り(スケーラーを使ったスケーリング)
・歯科医院で行う歯のクリーニング(特に歯周ポケット部分の歯の根面の清掃)
・フラップ手術などの外科的処置
・エムドゲインや組織移植手術、歯肉を再生させる手術などの外科的処置
・手を尽くして治療を行っても歯を残せない場合には抜歯
・抜歯を行った場所にインプラントやブリッジ、部分入れ歯などの義歯を入れる
・抜歯後に歯並びに乱れが生じているケースでは必要に応じて歯列矯正による矯正治療も行う

○治療にかかる期間

・1年以上(患者様によって異なります)

歯周病は定期的な検査とメンテナンスを受けることで予防出来ます

「歯周病治療にかかる費用」と「歯周病の段階ごとの治療内容および治療期間」についてご説明をさせていただきました。

虫歯は放置すると痛みを強く感じるようになるため、痛みに耐え切れずに歯科医院を訪れる人が多いのですが、歯周病は症状に気づきにくく、「気がついたらすでに中期以上にまで歯周病の症状が進行していた」、ということも珍しくありません。

歯周病で歯を失わないようにするためには、日ごろから歯周病に対して常に意識を持ち、少しでも歯ぐきやお口に異常を感じたときや、または何も異常を感じなくても、歯周病治療を専門的に行っている歯科医院に定期的に通い、検査とクリーニングなどのお口のメンテナンスを受けておくことをおすすめします。

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